棚って素敵ですよね。
昔から欲しかった棚がありまして、
チャールズ&レイ・イームズによるデザインのイームズストレージユニットという家具です。
チャールズ&レイ・イームズは工業デザインの発展に大きな影響を及ぼした夫婦で、特にイームズチェアが有名です。
街中でもリプロダクト品含めよく見かけるのではないかと思います。
合板や規格鋼材などの工業製品を活用したデザインはミッドセンチュリーを想起させるものですが、今でも古さを感じない洗練された雰囲気を纏っているように思います。
そんなイームズ夫妻の作ったイームズストレージユニット。
ほしいなぁほしいなぁと思いながら値段を見るとハーマンミラー社製は66万円…
リプロダクト品でも30万円は下らないかなりの高級品。
なんでだ…工業製品をつかって機能的かつ合理的な家具を世に送り出すという思想だったんじゃないんか…(涙
うん、これはもう自分でつくるしかないですね!
さてやっていきましょう!
◽️まずは条件を整理する
家具を製作するにあたってまずは条件を整理してみます。
①システム、デザインはイームズストレージユニットを参考にする
→この家具は工業製品を活用して作られています。裏を返せば安価かつ入手しやすい材料でできてるということ。
②出来る限り安価につくる
→そもそもがオリジナル高すぎ…から入っているのでコストは抑えたい。
③材料の加工は最小限に(規格モジュールを活用する)
→家に木を切ったりする作業場はありません。出来る限りプレカットしてもらって家では組み立てるだけにしたいところ。依頼する加工が最小限ならその分コストも下がります。
④入れるものを決めて各所寸法を決定する
→せっかくオーダーメイドなのである程度汎用性はありながらも自宅に合わせた寸法設定をしたいですね。
◽️設計してみる
各種条件を念頭においてまずは3DCADでイメージを起こしてみます。
それを元に細かい部分についてはスケッチを描きながら接合方法などを考えていきます。
本来であればこれらの情報を図面としてまとめて初めて「設計」といえると思いますが、今回はそこまで複雑ではないのでモデリングとラフスケッチ程度でやっていきます。
◽️材料を考える
設計ができたら具体的な材料選定です。
棚板や側板はオリジナルを参考に合板とします。
厚みが悩ましいですが、12mmとしました。
以前作成した家具では合板だけで構造を成立させていたので15mmを使いましたが、今回の棚は柱を使う予定なので少々薄めでも問題ありません。
合板にも色々ありますが、仕上げのしやすいシナ合板を選びました。
次は構造材を考えていきます。
コーナーの柱は棚板を接合するとこを考えて30mm角の穴開きLアングルとしています。(配管支持などに使う建材です。)
厚みは3.2あるので強度は十分だと思います。
あとはガタつきを防止するためのブレース(すじかい)ですが、調整を効かせるためにワイヤーを利用します。締め付けはターンバックルで大丈夫です。
最後に仕上げ材です。
スプレーや塗料で塗装してもいいのですが、今回は工業デザイン感を出したいので粘着層付きの塩ビフィルムを利用します。
素人の手塗りだとどうしてもハケ跡が目だったりして良くも悪くも手作り感が出てしまうので…
あと、木を素地で使う部分はブライワックスのクリアで少しだけ艶を出していきます。
さて仕様も決まったのでいよいよ製作開始です!
…が、長くなったので製作編は次回へつづく。