弁理士試験のこと⑥ 〜論文試験の問題の読み方〜

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近年の論文試験は問題文の長文化が著しいので頭から読んで理解しようとすると爆死します。

あくまでも参考ですが、私がどんなふうに問題文を読んでいたかをまとめてみたいと思います。

1,設問数及び出題傾向を確認する

非常にベーシックな話ですが、まず問題用紙を開いたら設問数を確認します。

特実で起こりがちですが、最後の問題に気付かないという事態の発生を防ぐためです。

また設問数の把握と同時に「出願系」なのか「侵害系」なのか「国際系」なのかといった問題の傾向をチェックして問題文の精読をするための心構えを作っておきます。

2,日付をチェックする

次に、時系列の問題であれば日付をチェックします。

そしてチェックした日付に過去から順に番号を振ります。

R5本試験商標法問題用紙(緑塗り部が日付)

この際、日付の前後の文章をざっと見ることでなんとなくどんな問題なのかをイメージしておくとその後がスムーズです。

3,設問を読んで大項目をチェックする

日付をチェックした後は設問を読みます。

若干乱暴な言い方にはなりますが、設問には大抵「〇〇について説明せよ」などと書いてあるので、その「〇〇」が回答すべき大項目となります。

「〇〇について、△△について説明せよ」というように2つの問いがなされているときは、その「〇〇」と「△△」が答えるべき大項目になります。

R5本試験商標法問題用紙(緑下線部が大項目)

出題者が何を問うているのかをおさえないと暗中模索状態で問題文を読むことになるので効率が悪いです。

答えるべき内容をしっかり把握することで、問題文のどこに力点をおいて読む必要があるかが見えてくるので、先に設問から読むことを習慣づけるのは非常に重要です。

4,問題文にマーカーを引く

ここからは流派によるのでなんともいえませんが、私は登場人物や、その出来事が悪い事象なのか、それとも良い事象なのかといった観点でかなりカラフルに塗り分けを行っていました。(前出の写真参照)

「あら~高値で売りつける目的で出願か~それは悪いやつだね~」というように、問題文の事例にできるだけ入り込むイメージでマーキングをしていました。

文字で書くとちょっと恥ずかしいですが、論文試験ではかなり複雑な事例を扱うことになるので、事例に入り込んで問題文を読むというスタンスは非常に重要だったと思います。

5,答案構成をする

時系列系の問題の場合は、まずは整理した日付を番号順に並べて表を作ります。

表を作った後は、その表の中に出来事を書き込んでいきます。

R5本試験商標法答案構成(上半分が時系列表)

時系列の問題はこの表が正しく整理できれば9割方解けたといっても過言ではないので、ここは間違えないように慎重に行います。

次に、各設問に応じて書くべき項目を挙げていきます。

時間次第ですが、私は一言コメントもしくは条文番号程度で項目を挙げていました。

6,見直し

時間があればですが、答案構成が終わったら最後に見直しをします。

抜けている要件や無駄な要件があればここで精査します。

ここで問題文の配点を見て記載内容の調整を考えても良いと思います。

7,さいごに

問題文の読解、答案構成作成に割ける時間は特実で15~20分/問、意匠と商標で30~40分/問です。

意匠と商標は上記のような答案構成を本試験でやっても大丈夫ですが、特実は正直かなり時間がないので、ここまではやれないとは思います。

ですが、自宅で過去問の演習をする時などは時間の制限もないと思うのでもしよろしければ試してみてはいかがでしょうか。

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