一級建築士試験について:4.一次試験(学科)〜独学勉強法3〜

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独学勉強法3:メンタル編

学科編の締めとして、メンタル的な部分について書いていきます。所謂精神論です。だいぶ主観が入りまくった記事かもしれませんがご容赦ください。

 

■止めましょう、2カ年計画

開口一番ちょっと厳しめなことを書きますが、僕はまずこれを強く主張したいです。建築業界は基本的には非常に多忙です。そんな都合よく暇なタイミングで試験準備ができることなんてほとんどありません。そんな中での受験になるので当然時間は作りにくいですし、周りの同僚が頑張って仕事をしている中で早く帰るというのは気が引けます。そうなるとどうしても、「一年で頑張るのはしんどそうだから二年くらいかけてのんびり取ろう」とか「まあ、とりあえず今年は様子をみていつかできそうなタイミングで本気出そう」的な考えが浮かんできます。

しかし、歳を重ねれば重ねるほど仕事の責任は増し、周囲からのプレッシャーも高まります。そうなるとどんどん時間は作りにくくなります。2カ年計画で十分時間をとったつもりでも、結局はどこかのタイミングで詰めて勉強をしなければいけませんし、一回の受験料だって2万円くらいするので金銭的にも非常に無駄です。それなら、つべこべ言わず可能な限り早期にガッとやる気を出して1年でとってしまうべきではないでしょうか。

1年で集中して取ろうとすると、どうしても家庭のことや仕事に影響が出てくるので、家族や会社の人々に協力してもらう必要があります。つまり、自分の周囲の人に受験を周知する必要がありということになります。もしかしたら上手く理解を得られず、心無いことを言われるかもしれません。(俺が若い頃は夜遅くまで働きながら死ぬ思いで取ったんだ!とかお前は甘い!とか)でもそんなこと気にしなくていいんです。資格を取ってしまえばこっちのもの。そこから全力で仕事に取り組めばいいのです。いくらでも挽回できます。さっさと取ってくれた方が会社的にも嬉しいのは当たり前ですよね。

心理学には「セルフ・ハンディキャッピング」という言葉があります。これは失敗した時にその要因を自分の外部に求め、成功した時はその要因を自分の内部に求めるという行為をさす概念です。自分に保険をかけるといった感じですね。このセルフ・ハンディキャッピングをした状態で物事に取り組むとパフォーマンス非常に低下するという実験結果があるようです。

「仕事が忙しいから」「周りの目が気になるから」こう考えて建築士試験に全力で取り組むことを避けてしまうのはまさにこのセルフ・ハンディキャッピング的な行動なように思えます。

一年で取ろうとして頑張ったけどダメだった…本当に勉強が一切できないくらい長期間に渡って忙しかった…これは仕方ないです。でも、最初から何年かかけてやろうという考え方はあまりよくないのでは、と僕は思います。

 

■本試験の雰囲気

今まで長々と色々書いてきて、こうやって準備すれば本試験なんて余裕だぜくらいのテンションに感じられているかもしれませんが、なんだかんだ本試験は難しいです。

今まで積み重ねてきた時間とことを思ったり、迷惑をかけた人達の顔を思い出したり、学科試験に対して真剣に努力すればするほど重度のプレッシャーを感じると思います。

僕は完全に本試験の雰囲気にのまれ、試験を受け終わった時点…というか法規が終わった段階でもはやお家に帰って親友のお布団さんに慰めて欲しい気持ちでいっぱいになりました。

ほとんどの問題が二択までしか絞り込めず自信を持って回答できたものの方が少ないようにさえ感じて、試験後の自己採点は若干涙目でした。

 

■二択まで絞り込んでからが勝負

同じように受験をした友人達は大体みんながほとんどの問題を二択で迷ったと話していました。

ではどうしてそこから合否が分かれるのでしょうか。

これは個人的な感想かつすごく曖昧なイメージでしかないのですが、単純な丸暗記だけではなく、テキストなどを使いながら体系的に理解した勉強をした上で徹底的に反復学習を行うと、二択で迷った時に「こっちの方が正解っぽい」という感覚の精度が上がっていくような気がします。

建築の設計では経験則が非常に重要になってきます。経験上こういう納まりの方が不具合が出なそうだ…とかこれくらいなら構造的にも大丈夫そうだ…とか。建築士試験の問題も、過去問の応用や新傾向からの出題だったとしても、そういう経験則的で側面で回答できるものが多々あるように感じます。所謂、「長年の勘」みたいな感じですね。しかし若手の設計者はどうしても経験が足りません。(経験があるゆえに間違えてしまう…ということも十分起こり得ますが)

そこでその経験不足を補うのが、上に書いた試験分野を体系的に理解した上での徹底的な反復学習です。この記事を書いている今はもうすっかり忘れてしまっていますが、試験直前は本当にその勘が研ぎ澄まされていたように思います。

建築士試験は二択に絞り込んでからが勝負です。今まで繰り返し書いてきた反復学習をもう無理ってくらいやって、知識を詰め込みに詰め込んでください。本当に辛いと思いますが、頑張れば必ず結果がついて来る試験だと思うので、踏ん張って取り組んでみてください。

 

とりあえず学科編はここでひと段落とします。

次回からは二次試験の製図編を書いていきます。

 

一級建築士試験について:1.一次試験(学科) 〜先生、なんで学校に行かなきゃいけないんですか〜

一級建築士試験について:2.一次試験(学科)〜独学勉強法編1〜

一級建築士試験について:3.一次試験(学科)〜独学勉強法編2〜

一級建築士試験について:4.一次試験(学科)〜独学勉強法編3〜

一級建築士試験について:5.二次試験(製図)〜フリーハンド作図法1〜

一級建築士試験について:6.二次試験(製図)〜フリーハンド作図法2〜

一級建築士試験について:4.一次試験(学科)〜独学勉強法3〜” への5件のコメント

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