弁理士試験のこと② 〜短答式試験について〜

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短答試験の勉強をどうやっていたかをまとめてみようと思います。

1,短答本試験の結果

まず、私の短答試験の結果は以下のような感じです。

特実…13点

意匠…8点

商標…7点

条約…8点

著不…8点

合計…44点

まぁ、お世辞にも高得点とは言えないですが、ギリギリというわけでもないというなんとも中途半端な点数です。

あえていうなら上四法がだいぶイマイチですね。だから1年目で論文落ちるんだよという…

ただ、知財の知識は本当にゼロからのスタートなので、1年目の受験生としてはそれなりに健闘したとは思います。

2,勉強の仕方

まずは基幹講座についてです。

1年目は学習時間をメモしてなかったので、学習量が見えにくくて申し訳ありません。

2021年4月から入門生として学習を開始しました。

講座としては、LEC専任講師宮口先生の1年合格コースを受講しました。

宮口先生の講座を選んだのは、知財の門外漢である私でも分かりやすい授業だったことが1番の理由です。

学習を始めた頃はキョゼツリユウ…?なにそれ怖い…というレベルの理解度だったので、とにかく分かりやすい授業が自分にとっては必要でした。

この頃は1回の講義を聞いてマーカーを引くだけでいっぱいいっぱいでした。。

ただ、とにかく繰り返し繰り返し授業の動画を見ることを心がけていました。

恐らく、入門講座の動画は各回10回近く視聴したと思います。

この時に頭に刷り込まれたゴロが、2年半後の口述試験で活きてくるとは思ってなかったですが、先生の授業としてはそこまで見通してのものだったのかもしれません。

そういう意味で、LECの入門講座は非常に良質だったと思います。

入門講座の後に短答基礎力完成講座という講座が始まりますが、こちらは完全に短答オリエンテッドな講座でした。

ただ、私はあまり短答アドヴァンステキストが合わなかったので、講義を聞きまくりつつ、テキストは辞書的に使う…というイメージで学習してました。

短答基礎力完成講座と並行して論文基礎力完成講座という講座も受講していましたが、正直1年目は完全に消化不良を起こしており、論文の学習はほぼできていなかったです。

3,問題集

LECの体系別短答過去問をひたすらやりこんでいました。

恐らく、上四法は6周ほど、下三法も3周ほどは回したと思います。

短答試験の過去問反復学習については賛否両論ありますが、結局のところ私にはこのゴリ押しパワー系のやり方が1番合っていたと思います。

「過去問でわからない枝が1つもない」というのは短答合格のための最低条件だと思います。

そこをクリアした上で新しい論点に向かっていく必要があるのかなと思います。

4,短答試験のコツ

これは非常に難しい問題なのですし、誤解を与えてはいけないとも思うのですが、あえてあげるとすると

「短答試験はTHEペーパー試験」

ということだと思います。

正しい法律知識が求められることはもちろんですが、ペーパー試験を乗り切るテクニックも幾許かは必要だということです。

短答試験は本当に重箱の隅をつつくような問題も出題されます。

本試験の問題冊子を開いて初めて見るようなトピックを問われることも往々にしてあります。

しかし、試験が択一という方式をとっている以上、絶対に試験問題にはクセがあります。

言い方が難しいのですが「知らなくても明らかに切れる枝がある」という視点は短答試験においてはけっこう重要だと思います(特に条約)。

五枝を比較する中で、いかに不要な枝を迅速に切れるか。

過去問を繰り返し演習すると、この嗅覚が鋭くなっていく感覚がありました。

選別して残した枝を集中して読解することで正答に辿り着くというやり方が、短い時間の試験では効果的なように思います。

あと、短答試験を突破するという一点のみに力点を置くなら

「下三法を得点源にする」

というのも重要です。

特に著作権法、不正競争防止法は得点源になりやすいです(令和5年度は難化したという噂も聞きますが…)。

極論気味ですが、不正競争防止法は「何が不正競争にあたるのか(2条)」と「何が適用除外になるのか(19条)」さえおさえればけっこう解けます。

上四法は論文にも続いていくのでもちろん重要です。

しかし、その分学習範囲もものすごく広いですし、問題も難しいです。

それに対して下三法は学習範囲が狭いので比較的取り組みやすいです(条約はちょっとしんどいですが…)。

上四法で少し失敗しても、下三法でカバーできれば短答突破の可能性は十分にあります。

やり込みすぎるのは本末転倒ですが「足切りにならなければいいや」というスタンスから一歩前に進めてみると良いかもしれません。

5,さいごに

短答試験は弁理士試験最初の山だけあって、覚えるべきことは膨大にあります。

悲しきかな、中高生の頃とは違って覚えたらその分ところてん式に知識が抜けていくというジレンマとの戦いです。

しかも、弁理士試験の中で唯一法文集を参照できない試験でもあります。

入門生にとっては新しく覚えることばかりで、もしかしたら1番辛い試験かもしれません(私は1番短答が辛かったです…)。

しかし、短答試験を突破できる実力が付くと一気に法律の理解が拡がり、その後の勉強は非常に楽しくなってきます。

私は、短答の勉強をしていた時は「これは知識の筋トレだな」と思うようにしていました。

必要な筋肉がついて初めて出来る技が増えます。

今は辛いかもしれませんが、次のステップに進むために必要な時間だと信じて歯を食いしばるのが大事なのかなと思います。

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